2020-04-16 春のファッション 花びらが朽ちていく。 無機質なアスファルトの上にひらひらとピンク色が舞う。 風に乗って、ふわり、ふわり。 春は好きだ。 長くなりつつある日照時間が、心にうまく作用するのが、温かなカフェインを摂取した時のように、流れていくように分かる。 空の色、花びらの色、葉っぱの色、海の色、誰もが鮮やかに視界を彩る。 何かを綺麗だと思う事はまるでファッションだ。 人々が綺麗だと口々につぶやくものを真似るように、綺麗だと繰り返しつぶやくと、まっとうな人間になった気になれる。 錯覚だとわかっていても。