all along

言葉を綴りたい

春のファッション

 

花びらが朽ちていく。

無機質なアスファルトの上にひらひらとピンク色が舞う。

風に乗って、ふわり、ふわり。

 

春は好きだ。

長くなりつつある日照時間が、心にうまく作用するのが、温かなカフェインを摂取した時のように、流れていくように分かる。

空の色、花びらの色、葉っぱの色、海の色、誰もが鮮やかに視界を彩る。

何かを綺麗だと思う事はまるでファッションだ。

人々が綺麗だと口々につぶやくものを真似るように、綺麗だと繰り返しつぶやくと、まっとうな人間になった気になれる。

錯覚だとわかっていても。

 

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